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コンビニ業:資金調達・競合撤退による再生

事例⑤:競合圧力に耐え忍ぶ戦略にシフトしてからの再生事例

競合店や大手スーパーの出店攻勢で赤字に転落、毎月手元資金が枯渇していた

■会社所在地:中国地方エリア

■業種:コンビニ経営

■資本金300万円

■年商:約5億(2店舗合計)

■従業員:社員5名、パート15名前後

■相談経緯:

特殊なエリア(詳細は特定の恐れのため非開示)でのコンビニ経営を継続していたが、2年ほど前から、大手スーパー(24時間営業)や競合店(コンビニ)の出店により、以前の売上(6億)を確保できず徐々に売上が低下しており、店舗損益自体は黒字だが会社全体の収支は営業損失が発生していた。そのため、資金繰りも徐々に厳しくなってきており弊社への無料相談があった。

詳細を聞いたところ、会社の経費もそれほど多いわけでもない、コンビニにはAタイプ・Cタイプとあるが、利益率の良いAタイプに競合店が進出しており、Aタイプの利益減によって会社全体の経費を賄えない状態であった。

また、コンビニ経営は本部の意向を無視できない。積極的なPUSH型(自力で顧客との接点を持つ営業スタイル)はできない典型的なPULL型であるため、基本的な販促活動は、宅配の利用など限られていた。

何もしなければ、早晩資金枯渇により撤退という方向が見え隠れしていた。

■具体的な問題点と解決手段:

◇年商5億前後(2店舗合計)

◇借入金融機関数:2行(地元信金・日本政策金融公庫)

◇長期借入金:4,500万円

◇社長への役員貸付金:800万円

◇個人借入金:400万前後

 

まずは、財務資料・社長との打ち合わせによる簡易デューデリジェンスで実態把握を実施。特に不明な点は見受けられない。相談時点で毎月120万前後のキャッシュアウトがしていた(営業損失分+借入返済分)。手元運転資金はすでに500万を切っている。何もしなければ、ものの4ヶ月で資金ショートしてしまう。なによりも、目の前の資金調達が必須であった。

まずは、金融機関の返済予定表や銀行との付き合いを確認。日本政策金融公庫へセーフティーネットの調達及び既存の借換融資を打診。結果400万の融資が実行された。

しかし、それでもまだ手元資金として余裕があるわけではない。メインバンクの信金に5ヶ年の中長期計画を提出(実は、Cタイプは2年後にロイヤリティが3%下がる契約内容になっていた為、その3%経費圧縮により事業黒字が見通せる)した。計画の裏付けとなる資料も含めて稟議した結果、信金からの調達に成功800万。とりあえず、目の前の資金繰り問題は解決された。

しかし、事業改善の本番はここからであった。急場を凌いだだけで、根本の営業損失が何も改善されていない。また、営業活動による売上増加も困難な事業体・エリアであったため、経費を削減するのが一般的ではあるが、経費についてもそれほど多くはない。更にコンビニ経営のキモでもある廃棄率もデータ上ではむしろ上位の成績を残しているため、ここの改善も現実的ではない。何も手を打たないと、調達した資金はいずれ枯渇してしまう。

資金繰りの改善だけみれば、リスケジュールをすぐ実行すれば毎月のキャッシュアウトは大きく減る。しかしそれもまたゴールが見えていなければ、ただの延命策に過ぎないため、実行するだけの材料が必要であった。

実際のところ、この明確なゴールをなければリスケジュールのメリットは半減してしまう。リスケして延命すれば、資金繰りに余裕が出るのですればよいのかもしれないが、それは再生コンサルタントとしては2流である。再生という明確ゴールを打ち出してこそ、リスケジュールなどの施策を実行するべきであるという信念もあり、その対策に社長と共に悩み抜いていた。

止まっていても何も変わらない・・・。できる限りの情報を集めることが最優先だと思い、社長を筆頭に多くのヒアリングを実行していた際、ある情報が手に入れることができた。

それは、競合店(コンビニ)の撤退。もし、これが事実だとすると大きな利益に繋がる。元々競合店の出店攻勢により売上低下を招いた結果、現状の営業損失になったいた。特に競合店の固定客の自店舗の流入やタバコの売上は相当期待できた。

問題は、それがいつなのかであった。ここが半年後なのか3年後なのかで、こちらの対策も大きく変わってくる。その撤退時期を見誤ることはできない。

結果としては、社長のコミュニケーションがこの問題を解決してくれた。特殊なエリアということもあり、競合店のオーナーと懇意な接点を持つ人物を特定するのはそれほど難しくはなかった。この競合店の撤退は、僅か2か月先ということが判明した。

となれば、こちらの財務戦略は明確だ。わざわざリスケジュールを実行するよりも、撤退における事業損益の改善を分析し、営業損失を黒字化できるならば事業継続。それでも赤字状態であれば、Cタイプのロイヤリティが低減する時期までリスケジュールを実行するのみである。

最終結論は、リスケジュールを実行せず、現状の新規調達・借換えなどを中心とした財務対策によっての事業継続となった。大きな利益は出ないが、営業利益の確保が十分可能な目算が立ったためである。営業利益がでれば、支払利息を加えても十分経常利益は確保できた。

最終的に、メインバンクから更に追加資金として500万の調達に成功。現在、手元運転資金は1,800万前後で推移している。上手く金融機関と借換えを中心とした取引ができれば事業継続は問題なくやっていけるであろう。

 

今回のケースで弊社の主だった役割は、

・急場を凌ぐ資金調達

・Cタイプのロイヤリティ低減時の損益分析

・徹底した情報収集(競合店など含め)

・調達orリスケジュールの判断

・運転資金の調達

 

情報を集め、その情報を正確に分析することが非常に重要な案件。コンビニ経営は、典型的なPULL型であるため、想像以上に再生の選択肢は少ないことを痛感させられる案件であった。

再生といえば、第2会社、M&A、リスケ、売上向上などがよくある手法ではあるが、今回のような全く形の再生があると認識した事例だった。

 

(※余談ではあるが、撤退したコンビニ跡地にはラーメン屋が出店となったので、大きな影響は発生していない。)

 

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